97/100点
基本情報
- 1995/アメリカ 上映時間130分
- 監督:テリー・ギリアム
- 脚本:デヴィッド・ピープルズ、ジャネット・ピープルズ
- 出演:ブルース・ウィリス、マデリーン・ストウ、ブラッド・ピット
あらすじ
ウイルスにより人類の99%が死滅し、生き残った者も薄暗い地下に住む事を余儀なくされている2035年。
犯罪者として服役中のジェームズ・コールはタイムスリップをして、ウイルスを散布したとされる「12モンキーズ」と名乗る団体を探り、ワクチンを作るために必要なウイルスのありかを突き止めて入手する任務を与えられる。
しかしタイムマシンの故障により誤った年に到着した彼は逮捕され、精神病院送りとなる。そこで出会ったのが、患者仲間のジェフリー・ゴインズと精神科医キャサリン・ライリー。何度かの邂逅を経てキャサリンはジェームズの妄言が現実であると確信するが、今度は肝心のジェームズが自らの未来での記憶を疑い始める。
いよいよウイルスが撒かれるその日、ジェームズとキャサリンは12モンキーズがウイルス散布とは無関係である事を知り未来に向けてメッセージを残すも、2人は空港でジェフリーの父ドクター・ゴインズの部下である真犯人ドクター・ピータースを発見する。
感想
1990年代の近未来SFにして、脚本がとても秀逸な作品です。設定を近い未来にする事でジェームズの子供の頃の記憶が事件と微妙にリンクしつつも、その際のタイムパラドックスは思い切り無視、キャサリンの既視感辺りも少し曖昧です。
ブルース・ウィリス、ブラッド・ピット共に作中殆どの時間で薬を打たれているか精神を病んでいるのでまともな状況ではありませんが、狂気を孕んだ二人の怪演にはある種の凄みを感じます。
SFのわりに説得力のある世界観、アイデンティティや記憶の揺れ、現代未来に数多く散りばめられた伏線など、胸踊る要素の溢れたとても好きな映画です。