映画

おじさんとクリムゾンタイド

96/100点

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基本情報

  • 1995/アメリカ 上映時間116分
  • 監督:トニースコット
  • 脚本:マイケル・シファー、リチャード・P・ヘンリック、クエンティン・タランティーノ、ロバート・タウン、スティーヴン・ザイリアン
  • 音楽:ハンス・ジマー
  • 出演:デンゼル・ワシントン、ジーン・ハックマン

あらすじ

1994年のチェチェン紛争をきっかけにロシアで内乱が勃発。叛乱軍が大陸間弾道ミサイル基地などを手中におさめたため、対するアメリカ政府はオハイオ級原子力潜水艦「アラバマ」を出撃させる。

「アラバマ」の艦長で、実戦経験豊富なラムジー大佐はハーバード大学卒のハンター少佐を副長に迎え出港するが、訓練方針の違いや乗員への扱いなどをめぐって両者は対立し溝は深まってゆく。

出港から6日目。北太平洋を哨戒中の「アラバマ」に「叛乱軍が弾道ミサイルに燃料注入を開始、発射を阻止すべく先制攻撃を加えよ」という指令が届く。発射準備に忙殺されるアラバマに叛乱軍の攻撃型潜水艦が迫り、受信しつつあった新たな指令が中断してしまう。途中まで印刷された指令文の解釈を巡り核ミサイル攻撃の準備を続行すべきだとするラムジーと、指令を再確認するまで攻撃を待つべきだとするハンター。2人の対立はついに頂点に達し、ラムジーはハンターを命令不服従として解任しようとするが、ハンターは逆に艦長のラムジーを軍法違反で拘束する。

しかし叛乱軍潜水艦の魚雷攻撃に「アラバマ」は死傷者を出し、動揺した一部の士官たちは武器庫を開けて武装し、拘禁された艦長を救い出して今度はハンターを拘束する。

ラムジーとハンターの相反する対応は海軍規上どちらも間違ってはいないものの結果として命令はSLBMの発射を中止する様に求めた物であったためハンターの措置は正しかった事になるが、この一件は海軍の軍令に大きな禍根を残し現在ではSLBM発射についての最終命令は大統領にのみ決定権が委ねられることになった。

感想

トニースコットは大好きな監督でとにかく熱量の高い映画が多いのですが、今作では作品規模の割にほぼデンゼル・ワシントンとジーン・ハックマンの哲学的で静かな(?)対決の構図に終始し、ある種サスペンスの要素も孕んでいます。

善悪を明言せず「どちらも正しい」とする事で両者均等に感情移入出来るという点で安心感を持って何度でも観れますし、一歩も譲らない互いの間に見え隠れするリスペクトやユーモアに、女子供が全く出てこないマッチョなお話の中にも格調の高さを感じる事の出来る、心を揺さぶられる映画です。

見所として顔面を一発殴られた後のデンゼル・ワシントンの表情がすごいのと、トニー・スコット監督が亡くなってしまってとても残念です。

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