映画

おじさんと裏切りのサーカス

99/100点

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基本情報

  • 2011/イギリス、フランス、ドイツ 上映時間128分
  • 監督:トーマス・アルフレッドソン
  • 脚本:ブリジット・オコナー、ピーター・ストローハン
  • 原題:TINKER TAILOR SOLDIER SPY
  • 出演:ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース、トム・ハーディ、ジョン・ハート、トビー・ジョーンズ、マーク・ストロング、ベネディクト・カンバーバッチ、キーラン・ハインズ

あらすじ

東西冷戦時代、イギリス秘密情報部(通称サーカス)とソ連情報部(通称モスクワセンター)は様々な情報戦を繰り広げていた。

サーカス内部にソ連情報部の二重スパイ「もぐら」がいることを確信した長官のコントロールは、密かにマザー・グースの「鋳掛け屋さん、仕立て屋さん、兵隊さん」の歌詞になぞらえたコードで幹部たちの身辺を探るとともに、「もぐら」に関する情報源と接触するため、サーカスのジム・プリドーをハンガリーに送り込むも作戦は失敗。責任をとってコントロールと彼の右腕であったジョージ・スマイリーは引退を余儀なくされる。

同時期にイスタンブールに派遣されていたリッキー・ターの前に、「もぐら」の情報を持つソ連情報部の女イリーナが現れる。恋仲になったターは彼女をイギリスに亡命させるため本部に連絡するが、イリーナはソ連情報部に連れ去られる。サーカス内部に「もぐら」がいることを察知したターはイギリスへ戻り、レイコン外務次官に連絡。レイコンは、引退したスマイリーに「もぐら」探しを要請する。スマイリーは、ターの上司のピーター・ギラムと、ロンドン警視庁公安部のメンデル警部とともに調査を始める。

感想

スパイ映画にも関わらず派手なアクションもなく淡々と話が進み、やや複雑ではありますが情報戦の筈が情報自体に具体性がないのがとてもリアルです。以前読んだ原作も面白かったのですが、構造としての不親切な作り、温度感も含めてとても好きな映画です。

物語を複雑化させている要素のひとつに同性愛の存在があって、偏見はないつもりですが行動原理が見えづらいため話が入り組んでくる局面で「あ、君も?」みたいな印象は受けました。表現として概念的な描写に止まっている事もあって、おじさん同士なのにとても美しいものに感じます。

ゲイリー・オールドマンの存在感は勿論、というか悪役じゃない映画を久々に観た気がしますが、その他のキャスト・音楽・画のトーンなどもひと癖ありつつも自分好みでとても素晴らしいです。一連のエンディングの演出は、何度観ても震えます。

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